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【プロボノ報告】あしなが学生募金事務局25年度役職者向けリーダーシップ開発プロボノ研修を提供

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Published: November 25, 2025
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2025.11.27

2025年度あしなが学生募金事務局の活動の節目に合わせた全3回のリーダーシップ研修を提供しましたのでご報告します。プログラムは全3回、対面とオンラインのハイブリッド形式のデザイン。約1年間、あしなが学生募金を率いた実践経験から、今後に活きるリーダーシップやマネジメントに関する学びを抽出することをねらいとしました(プレスリリース)。  

25年度あしなが学生募金事務局役職者向けリーダーシップ開発研修
 
■今年度リーダーたちが直面した、局員の多様化と参画意識のばらつき 

あしなが学生募金は、災害遺児や病気遺児、自死遺児や親に障がいがあり働くことができない家庭の子どもたちへの支援を行う募金活動団体です。50年を超える歴史を持ち、毎年春と秋に全国約120か所で街頭募金を実施しています。この活動は、長らく遺児たちの進学を支えてきました。活動を率いるのは、あしなが学生募金事務局。学生による自治団体です。彼らは効果的な運営のため、8つのエリアおよび3つの専門ユニット、そして1つのチームからなる組織体を構成しています。コロナ禍による活動中止を経ながら、2023年には、全国一斉形式にて街頭募金を再開しました。今回参加者である2025年度役職者学生らは、4月に4日間の募金活動の準備や運営をリードしました。彼らがそこで感じたのは、局員の活動への参画意識のばらつきだと言います。    

■活動の意味付けをリ・ブランディングする   

背景には、学生募金事務局の局員構成の多様化があります。近年、あしなが奨学生以外の局員の活動参加が増えているそうです。これは活動認知の広がりの成果であり、素晴らしい変化だと言えます。一方で募金活動への参加動機も多様化しています。結果として、これまで奨学生の間では当たり前に共有され、活動の原動力になってきた「恩送り」のコンセプトや念い(おもい)だけでは、チームを束ねきれないフェーズに来ているのではないか。そう考えた研修の提供者である私たちは、現在の局員構成を踏まえ、多様な参加動機を持った局員が、共感できるであろう意味付けとして「先回り学習の機会」としての活動にリ・ブランディングを提言しました。そこに合わせて、役職者向けのプロボノもリ・デザインしました。  

■活動の各節目に、振り返りと次の工夫を見出す機会を 

活動の節目に合わせ、①7月:春の募金活動後、②9月:秋の募金活動前、③11月:秋の募金活動後のタイミングに研修の場を設けました。全3回のプログラムには、のべ27名が参加しました。 

LESプログラム全体像

 

  1. 2025年7月:Module1「他者への働きかけを工夫する」 1泊2日対面形式にて 
    役職者学生が率いた春の活動を振り返った上で、効果的な他者への働きかけの工夫について考える場としました。リーダーシップテーマのメタファーを持つ疑似体験(プロジェクト)と、プロジェクト後の対話と内省(レビュー)、そしてリーダーシップとマネジメントのアプローチの違いについてレクチャーを実施。他者を通じて事を成すためのチームづくりとリーダーシップ発揮について体感的に考え、構想を描く機会を持ちました。 
  1. 2025年9月:Module2「組織・人づくりの青写真を描く」 オンライン形式にて 
    10月に迫る秋募金の準備を全国で進める役職者学生たち。彼らが活動の中でぶつかる悩ましい状況について仲間と対話の場を持ちました。またDiscovery®というアセスメントツールを用いて、自己と他者の認知特性について知るセッションを持ちました。チームで成果に向かうため、仲間に目を向け、それぞれの認知特性を踏まえたうえで、効果的な働きかけとチームづくりを考える場としました。なおこのアセスメントツールの提供は、Insights社のThe Gift of Discovery(NPOやコミュニティに対するツールの無償提供)を活用しています。https://info.insights.com/the-gift-of-discovery 
  1. 2025年11月:Module3「経験からの学びを持論化する」 オンライン形式にて 
    1年間の活動を振り返り、そこでの学びを改めて整理し、役職者学生同士で共有する場を持ちました。自身のリーダーシップ、マネジメント行動について、どんな成功や失敗があったのか。役職者としての喜び、難しさ、またやってみた工夫についての対話を重ねることで、学びを自分の言葉として紡ぎ出しました。  

【Module3後の参加者コメント】  

  • ゲームのようなプロジェクトを通して、楽しみながらマネジメントについて学ぶことが出来た。特にModule1で行ったあるプロジェクトでは、タスクを指示する人と指示を受けて行動する人が、それぞれどんな気持ちをお互いに抱いているか体感することが出来た。「もっとちゃんと指示してよ」と思わず言ってしまったが、その気持ちを普段一緒に活動してくれている仲間も抱えているのかもしれない、と気づくことが出来た  
  • マネジメントやリーダーシップについて、学んだことを自分の言葉でまとめることができた。これまでの学びを自分の中で行動レベルにまで落とし込むことが出来た 
  • 研修内容が活動や学生生活において大変役に立つものであり、それに加えて、私たちの活動を心の底から応援してくださるスタッフの方との関わりに救われることがあった 
参加者の様子

 

また全3回のプログラム運営は、弊社社員のべ11名、アソシエイトファシリテーター1名のプロボノにより行われました。運営に携わったメンバーからは、以下の声が聞かれました。  

  • 運営スタッフとして、ひたむきに活動に向き合う役職者学生の役に立つことで、きっと社会へ貢献できると感じた。また多くの社員が準備支援など関わってくれた。入社して間もないが、社として大切にしている活動だと実感した(社員ファシリテーター)  
  • 学生のみなさんとやり取りすればするほど、彼らを応援したい気持ちが強くなる。今後もこの取り組みが続くよう参加していきたい。(アソシエイトファシリテーター)
プロボノ運営の様子

 

■Leadership Eco Systemとはhttps://www.impactinternational.com/jp/action-sdgs/leadership-eco-system 
 
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