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【Column】強いチームづくりに不可欠な3要素~共通言語化、共有体験化、内面化

【Column】強いチームづくりに不可欠な3要素~共通言語化、共有体験化、内面化
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2021.10.28

今回は、昨今のコロナ禍におけるリモートワークの急速な普及によって問い直されている「チーム」の問題に焦点を当てたいと思います。

チェスター・バーナード(Chester Irving Barnard)は、組織の成立要件として、「共通の目的」「貢献の意欲」そして「コミュニケーション」の3つを指摘しています。そして、この観点から説かれるのが共通言語の必要性です。

一般的に、組織はミッション・ビジョン・バリューなどを共通言語化することで、目的や目標、向かうべき方向性、望ましい行動などを揃え、一体感を生み出し、推進の実効性を高めていこうとします。しかしこれらは、メンバーが単にフレーズとして認識しているだけでは、もっと言えば「額縁に入れて壁に飾っているだけ」では、効果を発揮することはありません。

メンバー全員が、共通言語に込められているコンテクストやニュアンスを同じレベルで共有していることが、その実現には不可欠です。そして、没入できる共有体験と共通言語についての対話による「感覚的理解」に至ることで、この効果が得られます。私たちの用いる体験学習メソッドはこの点に強みを持っていると自負しています。

例えば、『チャレンジ』というバリューを浸透させようとする時、メタファーが組み込まれた刺激的なプロジェクト体験を共有し、日常業務においては、それはどの水準での『チャレンジ』を指すのか、実践にはどのような難しさがあるのかなどを対話することで、認知的な理解を感覚的理解に昇華することができるのです。

そして、共通言語と共有体験が強く結びつくことで、個々人がバリューを内面化することができます。加えて、実務におけるバリューの定着には、リーダーの前向きさが後押しとなり、チーム全体としての行動変容がなされていきます。

リモート環境で生じたチームの問題に対し、雑談の機会を増やすという提案も散見されます。しかし、雑談であれば何でもよいのでしょうか。強いチームづくりには、「緊急ではないが重要なテーマ」についての対話が必要だと私たちは考えています。言い換えるならば、「質の高い雑談」が生まれる場づくりこそが本質的な解決につながるのです。

changeandtransformation

感染リスクと関係性リスクを超えて

コロナ禍を受け、多くの研修がオンライン化されました。対面で行う必然性のない研修が見直され、コロナ感染のリスクを最少化しながら、距離や時間に依存しない参加のしやすさ、結果としてのコストダウンが実現されたのではないでしょうか。

一方で、リーダーシップやチームといった、他者とのやり取りを前提とした能力開発(社会-情動的学習)では、学習効果の点で対面型に軍配が上がります。頭と心をフル活用して達成した時の嬉しさや、意図が伝わらない悔しさなど、ダイナミックな感情の動きを含めて、深く記憶に刻み込まれた体験。ここに行動変容への鍵があり、リモート環境下で、強いチームの土台となる社会関係資本が減耗していくリスクに歯止めをかけることにつながります。

コロナの感染リスクがマネジメントされ始めた今こそ、テクノロジーを用いて行う部分と、あえてアナログな身体性にこだわる部分を適切に組み合わせる「ブレンデッド・ラーニング」を進めていく。これこそ、組織・人材開発を担う全ての人間が再考しなければならないテーマであると考えています。
(Written by Hosshan, Facilitator)
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◆カルチャー浸透に関するCase Studyはこちらから>>>「人と組織の可能性を引き出し、事業の成長を加速させていくー組織を変えるレシピ」

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