Skip to main content
Management Development
Talent
Wellbeing & Personal Development

【Column】今、起きている企業と個人の関係性の変化(後編)

【NEWS】チーム作りのオンラインプログラム「Re:Shape」が8言語で実施可能に
Share this article:

2022.04.15

前回は、期せずしてコロナ禍によって加速している“企業と個人の関係性の変化”に焦点を当て、現代における“企業と個人の幸せな関係”について考えてみました。今回は、企業と個人の新たな関係性をつくっていく模索的な取組の一例として、我々自身がインパクトでどんな仕掛けや取組みを行っているか、その一部をご紹介したいと思います。 

■インパクトでの取り組み 
私はインパクトにおいて、Learning + People Catalystという役割を担い、人事・労務に加え、組織開発の企画・実行をしています。1人ひとりが組織のパーパスやビジョンを共有するのと同時に、個人として“インパクトを一つの器”と捉えることが重要だ、と機会があるごとに従業員に伝えています。 

では、インパクトという“器”の特徴は何か。この会社で価値提供するために従業員には何が求められ、どんなキャリア資本を蓄積できるのか。会社としては、インパクトにいる間にどんな学習や経験を従業員に提供することができるのか。 

当社はありがたいことに国内外の優良企業をクライアントとして持ち、人事だけでなく事業部からの案件依頼が多いのが特徴です。人事部門が主導する全社的な人材育成の取組と、事業に直結する部門での人材開発や組織開発のコンサルテーションやプログラムデザインという価値提供をしています。その価値提供を通じて、様々な経験・能力・知識を学習できるというのが、当社の「器」としての特徴だと考えています。そして、どの職種においても認知的共感力・メタ思考力・課題形成力の3つは必ず必要とされる力です。つまり、当社にいる間に蓄積できるキャリア資本です。それらをできるだけ早く高いレベルで身につけてもらうために、以下のようなことを“日常的な取組レベルの仕組み”として組み込んで行っています。 

  • DM(デザインミーティング):クライアントへの提案・プログラム設計・企画の際は、複数人で背景や企画としての理想像と現状、阻害要因などを、相手(企画のオーナーや対象者)の立場に立って検討するところからはじめます。これによって、認知的共感力やメタ思考力、課題形成力を切磋琢磨しています。 

  • WR(ウィークリーレビュー/週報):一週間の出来事を事実ベースであげた上で、経験学習モデルに則って、気づきと学びを抽出し、翌週のアクションを設定します。この内容は、Teamsで全社員に発信します。この具体と抽象の思考の往復運動を習慣とすることでメタ思考力を訓練しています。 

  • BR(ブックレビュー):課題図書や自身の磨きたい専門領域に関する本を読み、要点と実務への応用アイデアの関連づけを、Formsを使って記録・蓄積していきます。抽象概念を実務にあてはめることでメタ思考力を訓練します。記録した内容は全員が閲覧できます。また、登録数をプロセス評価に組み込んでいます。 

  • コラムリレー:組織・人材開発に関連するテーマを自分で設定し、全社員持ち回りのリレー形式でコラムとして執筆しています。メッセージを届けたい相手を想起して、実体験(具体)とセオリー(抽象)を織り交ぜながら、文章を構成していきます。文章を書くことが得意な従業員ばかりではありませんが、自分の考えをアウトプットする機会をつくっています。 

また、1人ひとりが会社を“器”と捉え、学習や経験の機会を自分にうまく活用していけるようになるには、本人自身が自分の向かいたい先(プロティアン・キャリアでいう「心理的成功」)を言語化し、認識できていることも必要となります。そのための仕組みとして以下のようなことも合わせて行っています。

  • My Vision/Dream/Wish:個々人のVisionやDream、Wishを言語化してもらい、全社員が閲覧できるようにしています。加えて、コトの大小を問わず、どんどん書き換えることを推奨しています。自分が何をしたいのか、を常に考えて欲しいためです。 

  • MMM(マンデー・モーニング・ミーティング):毎週月曜の朝の10~15分を“意味のある雑談”の時間として小グループで雑談します。1~2カ月に一度、その場を使ってMy Vision/Dream/Wishの進捗や変化を従業員同士で共有しています。 

  • OOO(ワン・オン・ワン):業務進捗ではなく、各自のMy Vision/Dream/Wishや能力開発について、マネージャーと対話するミーティングを設定しています。インパクトを“一つの器”として捉えることをリマインドしていくためです。 

読者のみなさんの中には、もしかしたら、もっと“研修”的な取組を期待されていた方もいるかもしれません。この点については、いわゆる“研修”と“日常的な取組レベルの仕組み”の両輪を、それぞれの機能の違いを踏まえた上でうまく組み合わせることが重要だと考えています。“研修”を気づかせる(認知の枠組みを広げる、視点を変える)×変容への意思を引き出す機会にし、“日常的な取組レベルの仕組み”を動かし継続していくことで行動変容と経験学習の蓄積が行われていくようにしています。 

個人と企業の関係性が変化する中で、企業というバスへの乗車・降車がもっと自然に話し合えるようになっていく時代。そこでは、一緒に過ごし共に価値提供する期間をお互いにとって有益なものにしていこうとする意思と取組が、お互いにとって幸せな関係をつくり、双方の未来につながっていきます。その意思と取組とは、キャリア資本を増やす機会の提供であり、個人が会社を器として捉え、活用することだと考えています。 

私自身も、インパクトを器として捉え、その器を強く・大きく・美しくしながら、自分の人生のビジョンに向かって活用させてもらおうと思います。 


(Written by Sae、Learning + People Catalyst) 
>>>この筆者と話してみる

>>>Back to News Release Top  

>>>Back to Japan Top