2026.9.16
「えっ、人事面談がこの順位なの?」
内定者が好感を持ったフォロー施策のランキングが発表された瞬間、会場からは驚きの声が上がりました。この体験会に参加した人事・採用担当の方々がこれまでやってきた施策と、多くの内定者が実際に評価している施策には少ながらずギャップがありました。
今回、impactがローンチしたTHE HARBORは、「内定辞退の予防」だけに留まらず、「入社後の成長」までを視野に入れた内定者向けプレ・オンボーディングプログラムです。
人事・採用担当者の問題意識
近年の新卒採用は、採用活動の早期化とそれに伴う入社までの長期化によって、企業側にとっても内定者側にとっても負担感が増しています。そこで、今回ご参加頂いた人事・採用担当の方々にBite-size(体験会)への期待を伺いました。
- 内定辞退や、内定承諾後の辞退を防ぐためのヒントを得たい
- 内定者向けコンテンツを見直したい
- 採用を点ではなく、入社後の活躍まで含めた線で捉えたい
- プレ・オンボーディングを考えるきっかけにしたい
このようなニーズを持った方々に集まっていただいてBite-sizeは始まりました。
Bite-sizeの流れ
まずは、内定者フォローが対象者に及ぼす影響に関する調査研究をベースに作成したカードゲームから。
今回のBite-size参加者の方々に「内定者が好印象を持ったフォロー施策」の書かれているカードを用いて、小グループで1~10位までを順位づけしていただきました。
実際のランキングが発表され、冒頭の発言につながります。
「えっ、人事面談が7位なんですか?」
ランキングが発表された瞬間、会場から思わず声が漏れました。内定者フォローとして多くの企業が力を入れている施策の一つが、人事との面談です。実際に参加された人事・採用担当の方々も、「上位に入るだろう」と予想していました。しかし結果は予想とは異なりました。
「結構頑張っているのに、そんなに上位には入らないんですね……」
思わずこぼれたその一言には、多くのBite-size参加者がうなずいていました。もちろん、人事面談が意味を持たないわけではありません。ただ、人事が時間と労力をかけていることと、内定者が価値を感じていることの間には、少なからずギャップがあるのかもしれません。
そこから、「内定者を引き留める」という観点を一旦脇に置いて、内定者が「入社後に活躍できるようするには」という問いについての意見交換。
仕事を知る機会、先輩社員との交流、学びの機会、メンター制度など、各社の取り組みや問題意識に根差したアイデアが模造紙に並びました。
各社の取り組みや工夫を共有した後、簡易レクチャーでは、impactが大切にしている3つの観点をご紹介しました。
- 成長機会への期待感:「ここなら成長できそうだ」
- 職務適応への不安感:「ここでならやれそうだ」
- 人間関係:「この仲間に加われそうだ」
期待感と不安感。その両方に影響を与えるのが人間関係です。だからこそ、単に交流機会を増やすのではなく、「どのような関係性を育むのか」が重要ではないか。そんな観点をお伝えしました。
続くアクティビティでは、チームで課題解決に取り組むワークを体験いただきました。同期とともに試行錯誤しながら成果を目指す体験を通じて、「この会社には成長機会がありそうだ」と感じてもらうことを狙いとしています。
今回のBite-size参加者の皆様にも、限られた条件の中でチームとして成果を目指すワークに取り組んでいただきました。ワークをスタートした時、2つのチームに分かれて開始されました。そしてそれが、いつの間にか「相手チームより成果を出したい」という空気に変わっていきました。しかし、ワークの中盤、ファシリテーターから一言ヒントが出されました。
「与えられたリソースは、すべて活用して構いません」。
それにより、敵だと思っていた相手チームも実は活用できるリソースだったことに気づき、見事課題は達成しました。
体験後の振り返りでは、次のような声が挙がりました。
「勝ち負けを競う課題ではないのに、いつの間にか目の前のことに意識が向いていた」
「ルールや指示内容を正しく理解し、周囲と認識を揃えることの大切さを感じた」
実際の仕事でも、気づかないうちに目的より手段が優先されることがあります。今回のワークは、そんな状況を疑似体験するものでもありました。複雑な状況の中で目的に立ち返り、周囲と協働する。この経験を入社前に繰り返し積むこと自体が、成長機会への期待にもつながります。

続くアクティビティでは、信頼関係を築く条件の一つである「人となり」に焦点を当てました。
ペアワークで対話を通じて相手の人となりを知り、その人らしさを表現しながら他己紹介を行うワーク。印象的だったのは、その後の休憩時間です。休憩に入っても誰一人その場を離れず、輪になって会話を続けていました。
「自分のことをこんな風に表現してもらえて嬉しい」
そんな声も聞かれました。 共通の課題に取り組み、相手の価値観や経験に触れる。その積み重ねが、初対面同士とは思えないほど自然な対話に繋がっていたように感じます。
成長への期待が高まると、次に内定者に生まれるのが「自分は本当にやっていけるのだろうか」という職務適応への不安です。企業はその不安を何とか取り除こうとします。しかし、一つの不安が解消されると、新しい不安が生まれることも少なくありません。
本プログラムでは、不安をなくすことよりも、内定者自身が不安と向き合える状態をつくることを大切にしています。今回は口頭でのご紹介にとどまりましたが、実際のプログラムでは、Sounding Chartを用いて内定者の現在の期待や不安を可視化します。その上で先輩社員との対話を行い、「先輩が職務適応への不安とどう向き合い、どう乗り越えてきたのか」をテーマに経験を共有してもらいます。
ここで大切にしているのは、人事が答えを与えることではありません。内定者自身が不安に直面したとき、どのように整理し、向き合っていけばよいのか。そのヒントとなる補助線を引くことです。
対話の後には再びSounding Chartを確認し、内定者自身の感覚にどのような変化があったのかを振り返ります。さらに、そのプロセスを人事、同期、先輩社員と共有することで、単なる情報提供ではなく、質の高い人間関係の構築にもつなげていきます。
THE HARBORに触れての気づき
今回のBite-sizeで体験いただいたのは、THE HARBORのプログラムの一部です。体験会の終盤には、プログラム全体の考え方や構成についてもご紹介しました。 そして、今回の体験を通じて、それぞれが自社の内定者フォローを振り返っていました。会の最後には、Bite-size参加者の皆様からこんな感想が寄せられました。
「内定者の不安を消そうと頑張っていた。意外と人事面談は内定者自身が必要としているとは限らない。不安は、本人が動かなければ消せないんだと思った。内定者自身で考えたり、動いたりするプログラムを取り入れられたらいいと思った。」
「内定者同士の交流やチームワークづくりはできていたかもしれない。一方で、『この会社には成長機会がありそうだ』と感じてもらうところまでは十分につくれていなかった気がする。Sounding Chartのように期待や不安を可視化しながら関わる方法も参考になった。」
今回の体験会を通じて見えてきたのは、内定者フォローの目的を改めて問い直す必要性です。内定辞退を防ぐことはもちろん重要です。しかし、本当に目指したいのはその先にある、入社後の組織適応や活躍ではないでしょうか。
私たちが大切にしているのは、「この会社なら成長できそうだ」という期待を育むこと、不安を一つずつ取り除くのではなく自ら向き合う力を育むこと、そして同期や先輩、人事との質の高い人間関係を築くことです。
だからこそ私たちは、内定者を会社につなぎ留めるための施策ではなく、社会人としてのスタートをより良く切るための準備期間として、この取り組みを「プレ・オンボーディング」と呼んでいます。
THE HARBORは、内定者一人ひとりが自らの選択に納得し、「この会社でビジネス人生を始めよう」と思える状態で船出を迎える。入社という節目を、単なるゴールではなく、新たな航海の始まりとして迎えられるように。そのための港でありたいと考えています。
プログラムの開発背景や詳しい内容については、近日公開予定のプレスリリースでご紹介します。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
今後のBite-size impact開催案内
節目を活かす PIVOTAL MOMENTS COLLECTION体験会
日時:2026年12月2日(水)
詳細は決定次第お知らせします。
>>>参考:2025年開催【Bite-size impact】節目を活かすPIVOTAL MOMENTS COLLECTION体験会レポート