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Management Development

【Column】自分の色を出せる新任管理職は、なにを考えているのか

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2023.12.11

2023年10月1日、インパクトジャパンで初めて「マネージャーシャッフル」が行われました。3つの部署のヘッド3名が文字通りシャッフルし、これまでと異なる部署に着任するものです。クライアント担当部署のマネージャーだった私は、研修の運営提供を担う部署のマネージャーにスライドして就任しました。 
これまでも自分がデザイン提案した研修をオブザーブしてきた経験や、ファシリテーターとして登壇したり、コーディネーターとして研修の場づくりをしてきた経験もあります。そうは言っても、営業サイドとは全く異なる業務をしているチームやメンバーをどうマネジメントしていくのか、試行錯誤する毎日です。 

では、すでに確立された業務プロセスを自律的に遂行しているチームに、その分野の経験値ではメンバーに敵わない状態で、管理職として着任する。 
この際どのようにして、自分らしいプレゼンスを示し、新しいチームを作っていくことができるのでしょうか? 

組織によって多少の差はあるものの、ハーバード・ビジネス・スクール助教授であるマイケル・ワトキンス氏はじめ多くの学者が、最初の「90日」が組織の基盤をつくる目安であると提唱しています(*1)。新任管理職となった本人にとっても、はじめの90日に意識的に注力し、管理職としての信用を築き、初期の成果をあげることで、その後のポジティブな流れを作ることができる可能性が高くなります。まさに今、私もこの90日のまっただなかにいます。組織戦略の推進力を高め、目標を達成し続けるチームとなるため、入社以来、一番心を砕いてマネジメントに取り組んでいると自信を持って言えます。

しかしながら、この最初の90日のタイミングで「何をするか」によって、流れが大きく変わるということは、チャンスであると同時に逆の効果をもたらす可能性もありそうです。新しく管理職になり、自分の色を出そうと思うがあまり、「やってはいけないこと」もあるのではないか。そう考え、私が気を付けているのは、「今は」業務プロセスに手を突っ込まないことです。すべての業務にはコンテクストがあると考えています。過去にそうなる事情があったという経路依存です。それらを注意深く知ることなしに、業務プロセスを変えようとすると、「この仕事を分かっていないくせに」「勝手にあれもこれも変えられて横暴だ」というような心理的な反発も生みかねません。場合によってはワークエンゲージメントを低下させることになってしまうかもしれず、これは本意ではありません。 

メンバーにとって、管理職の入れ替わりは期待と不安が入り混じったものでしょう。特に、すでに組織運営がうまくいっており、問題があまりないと感じている場合に業務プロセスを変えてしまうのは避けたいものです。そうした組織による状況の違いは多少あれ、前述の「やらないこと」に加えて、今私が最初の90日を意識して「取り組んでいること」は、以下の3点です。

1:業務プロセスの具体を知る 
まずはメンバーが、それぞれ具体的にどんな仕事をどんな風に進めているのか、つまり業務プロセスを知ることに注力しています。管理職として、内容を把握し手本を見せられる状態を目指してはいますが、まずはフィードバックをするために、業務プロセスを正確に知っておくことが重要だと考えます。個々の事情や、難しさ、懸念していることは何なのか。フィードバックをする際に「分かった上で言っている」状況をつくるためにも、とにかく具体的な手順までくまなく覚えています。あわせて意識しているのは、メンバーと一緒に汗を流すこと。メンバーはどんな気持ちで働いているのか、相手の立場を認知的に理解し共感するためにも、同じ作業をし、同じ体験をすることを大事にしています。

2:水準を示す
その上で、部署が目指す業務品質がどれくらいなのか、取るべき行動指針はどういうものなのか、即時フィードバックしていきます。その基準になるのは、チームのミッションやビジョン、戦略など目指すべき目標です。逆に取らないようにしているのは、「今はまだこのチームの業務よく分からないし、様子見しておこう・・・」というスタンスです。様子見というと聞こえはいいかもしれませんが、メンバーにとっては「許容」されている状態と同義です。のちのち「あの時、何も言ってこなかったのに、急にそんなこと言われても・・・」とフィードバックに対する納得感が低下してしまうのは、後出しの状況をつくってしまうことが要因の一つだと考えています。

3:変えることを明示し、目に見える変化を見せる
これらのプロセスを経た上で、マネージャーとしてこれから部署をどうしていきたいのか、方針を明確に打ち出します。ここで重要なのは「何が変わるのか」を明確にすることです。それは同時に「変わらないこと」も明確にすることにもなります。そうすれば、メンバーの不安や迷いを減らすことができます。そして、たとえ小さなことでもあっても、具体的に変わったと感じられるような、目に見える違いを早めにつくることも意識しています。例えば今回就任直後に、職務別に設定されているグレードの呼称を変更し、メンバーの名刺を刷新するアクションを起こしました。もともと各職務に応じたグレード名がありましたが、目指すビジョンへの紐づけを自分たちで行い、呼称を変え、またそれが印字された新しい名刺が手元に届く。大事なのは、変化が起きていると体感してもらうこと。それにより、メンバーが新しい行動を起こすハードルを下げ、やってみようと思える状況をつくりだすことを意図しています。

今回異動した部署のメンバーは、所属15年以上のベテランも多く、入社4年の私からすると、社歴も年齢も先輩が多いです。また、私の前任マネージャーは10年以上にわたり同部署をマネジメントしていたこともあり、実際には私が管理職としてプレゼンスを発揮するにあたり、様々なハードルがあるとも感じています。それでも、この機会を自分の成長のためのチャレンジだと前向きに捉えて活かしたい。そのため、こうした取り組みを通して、自分らしいリーダーシップの発揮やマネージャーとしての色の出し方を模索しています。

現在進行形のこれら試行錯誤とそれを記した本コラムが、現在同じく管理職として奮闘している皆さんや、これから管理職を目指す方、そして人事として管理職の支援をしている皆さんにとって、少しでもお役に立てれば幸いです。


*1 マイケル・ワトキンス.「ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー」.翔泳社.2014年


(Written by WoodyClient Success Dept. Manager)
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