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【Column】本人も気づいていない「管理職になりたくない」を解消する、たった一つの方法

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2023.03.23

~女性の管理職比率を増やす~ 
2016年当時の旧安倍政権下におけるアベノミクス3本の矢である成長戦略の中核として「女性の活躍」が取り上げられました。その具体策の1つとして掲げられたのが「役員の一人は女性に」でした。 
この具体策に沿って一人の女性役員を作ろうと思えば、女性全体がさらに活躍し、管理職の女性比率を高めなければならないことは明白です。各社がそれぞれの現状に応じて「執行役員の〇%」「管理職の〇%」など数値目標を作り、その実現のために仕事と子育て両立支援や、女性人材の育成や評価の在り方の改革、ロールモデルやメンターによる支援など様々に取り組まれていらっしゃいます。 

しかし、これら取り組みが拡充すれば女性の管理職比率が増えるのでしょうか。 
YESとは言い難く、様々な調査でも「出世・昇進に対して関心がない」という項目が上位に見られ、そもそも女性たちが昇進を望んでいないという声が多く聞かれているのは周知のとおりです。 

では、何が「管理職になりたがらない女性」にさせているのでしょうか。 
ここに至るまで管理職になることを最大限拒んだ経験を持つ筆者自身を一例に、考察していきたいと思います。 

私が実際にマネージャー候補として打診を受けた時の第一声は「興味がありません」。今でも鮮明に覚えています。当時転職1年目、業界経験がある同僚・先輩・上司という環境下、自身の営業としての実績もこれからという状況。「誰もが認めざるを得ない営業実績を出してから、やりたいこと・言いたいことを発信する」を信条に営業職キャリアを積んできたこともあり、転職数カ月での打診に全く興味・関心がわきませんでした。 
興味・関心がないという自分なりの表現の奥底に「いずれ」という念(おも)いがあったことは否めません。しかしながら、当時はある意味“一生懸命”拒んでいました。 

何がそこまで自分にマネージャー候補打診を拒ませていたのでしょうか。 
難しそうだから?長時間労働が想定されるから?自分の信条に反するから?同僚・先輩を差し置いた出世になるから?ロールモデルがいないから・・・・・・? 
自身の答えは、いずれもNO。 
なぜなら「新しい」「未知・未開拓」「見たことのない世界」は自身が大切にしている価値観です。 
だとすれば、何が拒ませていたのでしょうか。 

今だから言えるのですが、、、 
当時の営業部門の同僚・先輩は男性が大半。40歳過ぎて転職してきた女性営業である自身の言動や実績、周囲からの称賛に対し、やっかむ言動が繰り返されていました。正直、そんなことは大して気に留めていなかったのですが、いちいち面倒くさいとは感じていました。さらにマネージャーという立場となり、仮に彼らの上司になるようなことがあれば、面倒くさいレベルでは済まなくなるだろうとも。 
だからこそ、誰もが認めざるを得ない実績=実力を示してからのネクストステップにこだわっていたのです。

拒みに拒んだマネージャー候補。 
では一体何があってマネージャーになったのでしょうか。 
それは、我が上司(現CEO)による、クドイとは感じさせないまでも約半年間に渡る、高頻度の、さりげない、粘り強い関わりによるものと言っても過言ではありません。 
その内容は、キャリアビジョンはもちろん、興味・関心、やりたいこと、見たい未来など多岐に渡ります。その中でも、「Dreamは何?」という問いが究極かつ秀逸でした。なぜ今働いているのか、なぜこの会社なのか、その先にどんなことを成し遂げたいのか、どうあったら幸せか。 

自身にとって「Dreamは?」 
この問いがここまで深く人生と仕事について考えることに繋がるとは予想していませんでした。 
この再三にわたる本質に迫る問いを浴び、Dreamが明確に言語化でき、肚落ちした途端、「マネージャー候補に乗ってみます。」と言っていたのです。人生と仕事が繋がり、その人生においてありたい姿とマネージャーになることは時間軸・空間軸ともに繋がっていることが理解できた瞬間だとも言えます。 

改めて、何が「管理職になりたがらない女性」にさせているのでしょうか。 
様々な事情や理由はそれぞれにあるのだと思いますが、本人が自覚していない内面的な「何か」にある場合も多いのではないでしょうか。筆者がそうであったように。 

そして、本人も意外とわかっていない「何か」に向き合い続けるには、上司の覚悟を持った関わりによるところも大きいのではないでしょうか。我が上司は、ラディカルキャンダー(徹底的なホンネ)で関わり、部下のホンネを引き出しマネージャーへ導いてくれたのだと感じます。 

これは自身の経験に基づく一例にすぎませんが、管理職になるという選択は最終的に当人が決めることだからこそ、当人の内面にどれだけ働きかけるかが重要なのではないでしょうか。 


(Written by Barbara, Director, Business Consulting Department)
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