Skip to main content
Sustainable Innovation

【Column】BACKSTAGE:大人の学びを生で感じて

【Column】BACKSTAGE:大人の学びを生で感じて
Share this article:

2022.11.24

インパクトジャパンがこの秋から始動させたインターンシップ「BACKSTAGE(バックステージ)」。「BACKSTAGE」とは、あしなが奨学生である大学2年生以上を対象としたプログラムです。インパクトジャパンが取り組む、1)若者支援団体への寄付、2)団体から支援を受ける若者への研修のプロボノ提供という、「リーダーシップ・エコシステム®」の一環です。  

リーダーシップ・エコシステムの対象である社会的に不利な立場に置かれている若者が、社会人としてのスタートをスムーズに切れるよう、「活躍しているビジネスパーソンの、やりがいやジレンマを舞台袖から観ることで、先取り学習をする」ことをねらいとしています。 

今回のコラムは、東北工業大学3年生で、あしなが学生募金事務局の東北エリアマネージャーの太田舜也さんの学びが綴られています。 

■今回の研修の目的について 
私が見学したのは、企業の主任など現場リーダー層を対象とした研修です。研修の目的は「期待されるリーダーシップ像を体感的に理解する」というものでした。この目的を初めて目にしたときに一番気になった部分が「体感的に」という部分です。研修といえば座学などを長時間行うイメージがあったので、研修という場で体感を意識する機会は少ないのではないかという疑問が浮かびました。 

■研修の特徴と流れについて 
今回の研修のファシリテーターに研修の目的の意味などを尋ねてみたところ、「人が一番記憶に残りやすいのは実際に体を動かして、失敗や成功を繰り返すこと」と回答がありました。確かに私も学校の座学の授業より、実際に体を動かしたスポーツなどの方が覚えやすく、上達も早いと感じるため、この方式はとても有効だと考えました。また、大人の研修はディスカッションやプレゼンなどの機会が多いイメージを抱いていたため、私の中の研修のイメージが覆されました。

私が所属しているあしなが学生募金事務局でも「体感的」というのは会議等で取り入れられると考えました。 

研修の流れは、実際にプロジェクトを行い、そのプロジェクトの内容を振り返るというものになっていました。私もあしなが学生募金事務局で街頭募金活動などを行なった際に振り返りの機会を取っています。しかし、どこまで自分が進行し、どうやって振り返らせるかなど悩むときが多くありました。そのときの参考にもできると考えたため、わくわくしながら、研修に参加しました。 

■プロジェクトの位置付けについて 
今回は5つのプロジェクト(インパクト注:チームで行う課題解決アクティビティ)を行なっていましたが、それぞれにしっかりとした意味があることに驚きました。会社でのフラットな関係性に見立てられるもの。上司や部下の関係性になっているもの。会社での各部署間の繋がりを想起できるもの。ヒト・モノ・カネなどビジネスに必要な要素を取り入れているものなど様々な工夫がありました。一見、プロジェクトはリーダーシップとは関係があっても会社やビジネスとは関係がないもののように思っていたのですが、上記のような工夫があることを知りました。 

このプロジェクトはあしなが学生募金事務局に見立てた時にどのような位置付けになるのかなど考えを膨らませて、見学を行いました。 

■各プロジェクト、レビューでの参加者の様子(1日目) 
1日目は参加者が探り探りでプロジェクトやレビューに取り組んでいる様子でした。私が見学していたチームは、1日目の3つのプロジェクトを全て失敗してしまいました。レビューでは、「初動が遅い」「リーダーをしっかりおいて冷静に分析していった方がいい」などの振り返りをしていました。しかし、実際にプロジェクトに入ると今の課題を達成することに集中していて、周りが見えていない状態だったのを覚えています。 

私がこのような現状を目にしたときに感じたことは「なぜ、レビューのときはしっかり分析できていたのにプロジェクトになるとそれを十分に実行できていないのだろう」という疑問でした。外から見れば、ここをこうした方がいいということは分かるのですが、本人達は十分に客観視できないほど集中していたということだと考えました。実際の職場でも作業時に集中しすぎて周りが見えなくなることが多いのではないかと感じました。 

■各プロジェクト、レビューでの参加者の様子(2日目) 
2日目は、明らかに1日目よりも参加者のプロジェクトに対する気合が上がっているように見えました。プロジェクト中の「一旦今の状況を整理しよう」「そもそもゴールってなんだっけ」などの自主的に客観視を行うような発言が見られたからです。また、研修中の動きも機敏になっており、なんとかプロジェクトを成功させたいという思いと1日目の失敗を生かしている様子がひしひしと伝わってきました。 

このような様子から、改めて失敗からの学びの重要性を感じました。私は普段失敗したときに落ち込んで立ち止まりやすい性格なのですが、失敗を正しくフィードバックすることでこんなにも物事に取り組む姿勢が前向きになるということを実感しました。 

■各プロジェクト、レビューでの参加者の様子(3日目) 
3日目も参加者の本気度は変わらず皆一生懸命に取り組んでいました。私個人の経験として、1晩あいたときは集中力が切れやすいと感じます。しかし、今回の研修では集中が切れている参加者がいませんでした。その理由としてやはり一番大きいのは仲間の存在なのではないかと考えました。同じゴールに向かって全力で取り組める仲間がいるから頑張れます。その構図はまさしく組織に見立てることができるため、しっかり組織の構造になっているということに気付かされました。 

■オブザーブをしてみての感想 
研修をオブザーブしてみて、特に印象的な部分は、社会人も私と同じような葛藤を抱いているということです。私はあしなが学生募金事務局で仲間を動かすときに仲間がついてこない、ゴールを達成できない、どう働きかければいいのかわからないといった悩みや葛藤を持っていました。今回の参加者もプロジェクト中に同じような悩みを抱えて打ち明ける場面がありました。そのことから、いくつになっても人と関わる際の悩みは尽きないからこそ、どう働きかけるかといったことを考え続けることが大事だと学びました。 

また、大人でも物事に対して真剣に取り組むとこんなにも本気になれるということに驚きました。私も今回のインターンでの経験を今後の大学生活やあしながでの活動に活かしていきたいです。 


(Written by 太田舜也, インターンシップ「BACKSTAGE」1期生) 

>>>Back to News Release Top  

>>>Back to Japan Top