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【Column】20代社員が模索する、経験から学ぶ力とは

【Column】20代社員が模索する、経験から学ぶ力とは
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2022.2.8

「最近の若手は、指摘したことはできるんですよね。例えばAを指摘したらAはできるけどA'はできない・・・。応用が利かないんですよね。」 

実際にクライアントからお伺いした話です。 
私はこの話を聞いてドキッとしました。前の週に、私自身が上司から同じような内容の指導を受けていたからです。 
指摘の本質に気づけていない、自分の尺度でしか考えられていない・・・悩んでいる若手の方も多いのではないでしょうか。 

まずは、そもそも「最近の若手」の置かれている状況を考えてみたいと思います。 
昔の若手社員と比べて決定的に異なるのは、コロナ禍による観察機会の減少です。テキサス大学のアート・マークン教授によると、人は他者や周囲を観察したり、されたりしながら、職場の中での舵取りする方法を習得するようです。しかしリモート環境下の今、職場の中で先輩の背中を見て学んだり、見守られながら学んだりする機会が致命的に欠けています。だからこそ自分自身で学びとることが、今まで以上に求められます。 

自分自身で学ぶ、つまり経験から学ぶ力というのはそもそも何でしょうか。デービッド・コルブの経験学習モデルによると、経験→省察→概念化→試行というサイクルにて定義がされます。起こった経験を振り返り、他の事象に生きる要素を抽出して成長していくという考え方です。 

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弊社でも、このモデルに則った週報の提出を実践しております。この週報は、全員が閲覧できるようになっているため、他者の気づきも確認することができ、非常に良い取り組みです。 

更にこのモデルをより効率的に回すことのできる「経験から学ぶ3つの力」を、松尾睦教授が提唱しています。1つずつポイントをみていきましょう。 

  1. ストレッチ 
    そもそもの経験の場を増やすために「挑戦的に機会を作る姿勢」が非常に重要となります。また挑戦的な機会は「手を上げる」など自ら作る場合と、与えられた仕事に対してストレッチの一工夫を加えるなどの場合があります。また、挑戦のための足場づくりをしているか、つまり日々の業務で基礎体力を付けられているかということもストレッチの大事な要素です。 

  2. リフレクション 
    振り返りによって経験から多くの教訓を引き出す力として、非常に重要です。リフレクションは、事柄が終わった後の振り返りが一般的だと考えられていますが、「このやり方でよいのか」というような経験の只中での振り返りもあります。経験の只中での振り返りにより、視野を広く保つことが可能になります。これが物事の本質を捉える訓練にもつながります。 

  3. エンジョイメント
    ストレッチやリフレクションは成長のために非常に重要なことですが、これだけだとストイックな修行のようになってしまいます。そのためエンジョイメントの要素も非常に重要です。楽しい仕事というものは放っておいては存在しません。自分なりに仕事を意味付けし、目標を加えることで意思をもって楽しむことが必要です。それが学び続ける原動力にもなります。 

以上3つが経験から学ぶ力の要素です。特にエンジョイメントは新しい観点だったのではないでしょうか。これらの3つの力は学校で習ってきたものとは全く異なります。だからこそこの学び方を知り、毎日少しでも意識をしながら「大人の学び方」を身につけることが必要です。

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会社の仕組みを活用したり、新しい観点を踏まえたりと、経験から学ぶ力を身につけるため、私も色々な工夫をしています。その中で気を付けていることもあります。それは、定期的な方向性の確認です。方法としては、定期的な上司との1on1、同僚に壁打ちになってもらっての対話、研修などがあるでしょう。中でも、効果的かつすぐに職場で実践できるものとしてお勧めするのは上司との1on1です。私たちは、週に1回ないし2週間に1回くらいの頻度で実施しています。 

日々の仕事はまさに新たな経験の繰り返し。そこからの学びを最大化するための仕掛けは、まだまだできるのではないでしょうか。私の模索は続きます。 

(Written by Snowpea、Client Partner) 
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