
About
2019年に上場を廃止したパイオニア。その翌年、新社長の下、企業ビジョンが制定された。そこで掲げられたのは、ソリューション企業への変革だった。新しいビジョンを目指すにあたっての事業基盤は、モビリティAIプラットフォーム。カーエレクトロニクス分野でのものづくり、そこで蓄積したモビリティデータや位置情報などを活用したソリューション開発に取り組んでいる。そして、変化の激しいモビリティ業界に対応し、再生を果たすための組織改編を繰り返し生まれたのが、Mobility AI &Connectivity Company、通称MAC カンパニーだ。MACカンパニーには、市場ニーズに応える革新的な製品・ソリューションを開発し、事業転換を目指すことが求められていた。
プロダクト開発のプロセスを変える。MACカンパニーChief Innovation Officerであるシバ・スブラマニアン氏は、NPI(New Product Introduction)という新しい製品開発プロセスを導入した。そして、そのプロセス改革には、プロダクトを一気通貫してマネジメントするPdM(プロダクトマネージャー)制度の実現が不可欠であった。一方で、新制度の開始時点では、PdMの役割や期待を明確に定義しきれないことや、旧業務よりも責任と業務負荷が増えることなど、経営層、育成担当そして現場の新任PdM達も暗中模索が続いていた。革新的な新製品やソリューションをスピーディに生み出していく、今後の成長ドライバであるMACカンパニー。パイオニア流のPdM制度を作り上げていくため、BECOME A PIONEER PROGRAMがデザインされた。
(Solutionに続く)
プログラムは、実践期間も含めて約3か月間に及ぶものだった。パイオニア流のPdMを定義づけようとしたモジュール1。総勢10名のPdMが集まり、部長自ら戦略や念いを伝えた。そこでは、「部署や役割を作っただけでは、人は動かない」等、現場PdMの現状認識が浮かび上がった。その後、PdMとしての働きかけを掴むべく実施されたのは、1泊2日のモジュール2、そして約1か月の職場での働きかけ実践を経て、フォローアップとして悩ましい状況について共有し合うモジュール3。課題解決のシミュレーションや内省と対話を仲間と繰り返すことを通じて、彼らの自己認識、表情、そして行動は大きく変わっていった。
(Resultに続く)